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1年前に名古屋競馬の丹羽克輝騎手が馬を殴った事件について

今から約1年前の2016/4/11名古屋3Rにて、圧倒的1番人気で2着に敗れたメイショウコルシカという馬を鞍上の丹羽克輝騎手がゴール後に殴るという事件があった。それもついカッとなって1発殴ったというわけではなく、2発、3発と殴っており、馬が嫌がってクビを振っている姿は見るに耐えない光景でした。(なお、メイショウコルシカはそのレース時点ですでに地方の馬主さんにトレードされています)

この事件について主催者は戒告処分をしたのみで、「過怠金○万円」「○日間の騎乗停止」など中身のともなったペナルティは何も課せられませんでした。戒告処分というのは口で注意するだけなので、いったいどの程度の注意が行われたかはわかりません。形だけの注意だったかもしれないわけです。

その事件について、このブログでは今まで触れてきませんでした。地方競馬を応援するブログだから都合の悪いことには触れないようにしたかったというわけではなく、「そのうち何らかの形で誠意を見せてくれるだろう」と信じていたからです。何らかの理由があって主催者側で重い処分ができないのだとしたら、丹羽騎手が自主的に謹慎するでもいいし、主催者に言われずとも「関係者が自主的にしばらくの間は丹羽騎手に騎乗依頼をするのを控える」とか、どんな形でもいいので誠意を見せなければいけなかったはずです。

しかし、1年以上経ちましたが丹羽騎手も主催者も名古屋競馬の関係者も、誠意を見せてくれることはありませんでした。丹羽騎手は昨年も名古屋リーディング7位と好調な成績を収めていて、メイショウコルシカを殴った事件の後も何事もなかったかのように騎乗を続けています。今はサンデンバロンという有力なお手馬がまわってきており、交流重賞や他地区の重賞に打って出そうな勢いです。

さすがに交流重賞で勝ち負けできるところまではいかないとしても、交流重賞という華やかな舞台に「馬を殴ったのに、何の誠意も見せていない騎手」がいること自体があってはならないことだと思います。この事件はかなり知られてしまっており、中央競馬のファンの耳にも届いてしまっています。交流重賞の華やかな舞台で「この人、馬を殴った騎手じゃないの?」となってしまってはせっかくのレースを楽しめなくなってしまいます。それでもちゃんと誠意を見せていれば「馬を殴ってしまったけど、しかるべきペナルティは受けたから」と納得することができるわけです。

交流重賞には出なかったとしても他地区の地方重賞に遠征することは十分に考えられるし、サンデンバロンであれば勝ち負けになってもおかしくありません。サンデンバロンがもし勝ってしまった場合、当然、丹羽騎手が表彰台で勝利騎手インタビューを受けることになります。他地区との交流戦はJRAとの交流重賞ほどではないにしても、地方競馬の中では華やかな舞台であり、地方競馬のネット視聴が広がった今では多くの人がインタビュー姿を見るわけです。そういう華やかな場所に「馬を殴ったのに、何の誠意も見せていない騎手」がいることはまったくふさわしくないし、見たくない光景です。

すぐに主催者が相応の処分を下すか、丹羽騎手が誠意を見せるか、名古屋競馬の関係者が自主的に丹羽騎手に謹慎させるなどしていれば、丹羽騎手個人の問題で済んだはずです。しかし、そういった誠意が見られなかったため問題は大きくなり、名古屋競馬全体のイメージと他の名古屋競馬の関係者のイメージまでもが悪くなりました。この事件を知らなかった人も、この事件のことを知れば名古屋競馬に対するイメージはガタ落ちするはずです。

念のために申し上げておきますと、決して僕は名古屋競馬が廃止になればいいと思っているわけではなく、誠意を見せてほしいと思っているだけです。他の多くの競馬ファンも同じ気持ちだと思います。今のまま開催を続けていては「競走馬に対して持つべき態度に矛盾としこりを抱えたまま」違和感のある開催になってしまいます。すでに1年以上が経過しており誠意を見せるタイミングは完全に逃していますが、この事件を放置して風化するのを待つようにして開催を続けるのは、我々のために走ってくれている競走馬に対してあまりに失礼です。

僕が競馬ファンになってからも競馬界では大小いろんな不祥事がありました。調整ルームに部外者の女を連れ込んだ不祥事、調整ルームでツイッターを使ってつぶやいてしまった不祥事、短期免許の外国人騎手から禁止薬物が検出された不祥事、馬の禁止薬物に関する不祥事、騎手同士の暴行事件、プライベートでの人身事故、お酒のマナーに関する不祥事、風呂場のマナーで口論になってヘッドロックされた不祥事、八百長(実は地方競馬ではどこかしらで年に1回くらいは起こります)、馬の耳に発信機をつけたり覚せい剤に手を出した人もいた。しかし、それらの中でも丹羽騎手が馬を殴った今回の事件はある意味最も悪質な不祥事であり、僕が最も不快に感じた不祥事です。

不祥事の中でも印象に残っているのは故・後藤浩輝騎手が吉田豊騎手を木刀で殴った事件です。センセーショナルな事件ではありましたが、その時の後藤騎手の対応はいさぎよくて、後藤騎手のことは嫌いにならずに済みました。JRA側も4ヶ月の騎乗停止という極めて重い処分を下して、十分なペナルティを受けたはずなのに、さらに後藤騎手は競馬誌の1ページを丸ごと使って長々とした謝罪文と、頭を丸めた写真を大きく掲載して誠意をみせてくれました。それに比べると、今回の丹羽騎手と主催者の誠意はまったく足りていないと言わざるを得ません。
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う~む、こんな事があったとは全く知りませんでした。

JRAでもゲートの係員がローブティサージュをムチで執拗に叩いたという事件がありましたけど、こういう事が起こる度に思うのが『お前ら誰のお陰でメシ食えてると思ってんだボケ』と。

サラブレッドという経済動物が存在してこそ『競馬』が成り立つワケですし、その『競馬』に携わっている以上は人間のエゴによって生きているサラブレッドだからこそ最大限敬意を表していかなければならないんじゃないかとボクは思っています。


海外…特に欧州あたりだと、万が一こんな事があったらドエラい事になってるんだろうなぁ…


まぁ今のご時世、動画配信もされていますし、少しでも何かあるとSNSで拡散…というのがデフォですから、名古屋競馬の対応は残念としか言いようが無いです。

Re: タイトルなし

>エラさん
コメントありがとうございます~。

JRAでもゲート係員のやり方がたまに物議をかもすことがありますが、今回の丹羽騎手の件は本当にひどかった…。

やはりこういうことが起きると、サラブレッドへの敬意を忘れているのではないかと思ってしまいますよね(>_<)

欧州とかはちょっとムチを使った回数が多かっただけで大騒ぎですもんね。

今回の件も動画配信に残っていますし、競馬メディアにも取り上げられていたし、個人のブログなどでもかなり騒がれています。いまや丹羽克輝騎手の名前で検索すると、この事件のことばかりが検索上位に上がってくるという残念な状態になっています…。
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